#12_山武杉のブランド化

前回、千葉県の木材市場にスギ丸太を仕入れに行く話を書きました。山武スギを銘木だと言う人もいますが、殆どの人は知りません。秋田スギや吉野スギのように全国に出荷されているわけではなく、ほぼ全量が千葉県内で消費され、県外に出回ることが少ないからです。

山武スギは元々、強い風から農作物や家を守るための防風林として植えられたケースが多いため、手入れをして良材を育てようと言う意識は希薄でした。しかし、そのために今日まで太くなっても切られることなく残っている場合もあり、写真のような2メートルもある大径木の丸太が市に出展されることもあります。

今では全国的にも珍しいほどの大径木は地元では値段が高過ぎて買っても採算が合わず、殆どは全国のスギの有名ブランドを抱える産地の業者がセリ落として行きます。その産地の優良材として売るのは産地偽装のように思われるかも知れませんが、山林に県境の線が引いてあるわけではないので、隣近所の県の丸太が市に出荷され、製材した産地の木として売られることは多々あります。

遠いか近いかの違いだけで、他県産の丸太を買って、製材した県の名で売ることは、木材業界ではよくあることなのです。

記念市には太い良質な丸太が相当な数、出展されます。もし、山武スギを全国の有名産地の材同様にブランド化し高くても売れるようになれば、他県の業者の手に渡ることなく、千葉県の高級材として販売できるようになります。

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